面朱
めんしゅ
名詞
標準
文例 · 用例
」「殿は満面朱色を呈し、よいご血色でございます。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
又同じ時同じ山を詠んだ歌に 歌舞伎座の菊畑などあるやうに秋山映る湖の底 わが閨に水明りのみ射し入れど全面朱なり男体の山 などがあり、又戦場が原に遊んでは 宿墨をもて立枯の木をかける外は白けし戦場が原 さるをがせなどいふ苔の房垂れて冷気加はる林間の秋 といふ様なすばらしい歌もこの時出来てゐる。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
参謀長は、満面朱を塗ったように怒張し、その爆発を、紙一枚手前で、堪えているようであった。
— 海野十三 『空襲葬送曲』 青空文庫
モレロは、もっとはげしくおどろいたと見え、満面朱にそめると、一本のロープをとりあげて、自らいそいで岩根にくくりはじめた。
— 海野十三 『恐竜島』 青空文庫
きょうは断乎として何処から何処までも検べ上げたうえでないと通さんぞ」 ワイトマンは満面朱盆のように赭くなってレッド老人を睨みつけた。
— 海野十三 『軍用鼠』 青空文庫
満廷色を失って声のする方を見ると、被告席にいた支倉が満面朱を注ぎ、無念の形相凄じく、両手に自記の書類を打ち振りながら証人席目がけて突進するのだった。
— 甲賀三郎 『支倉事件』 青空文庫
木材が一面朱塗だということもその感じには関係があるらしい。
— 宮本百合子 『長崎の印象』 青空文庫
左には、小鬼が一体、緑面朱髪で、※獰な顔をしているが、これも生憎、鼻が虧けている。
— 芥川龍之介 『仙人』 青空文庫