灑
灑
名詞
標準
文例 · 用例
彼灑掃応対進退の節と説き、寡妻に法り、兄弟に及ぶと云い、国を治むるのもとは、家を治むるにありと云い、家整うて国則整うと云い、其の家庭の問題を如何に重大視したか、詩経などの詩を見ても、家庭を謳うたものが多いのである。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
邸後の森からは、小川が一度邸内の泉水を潜って、前の田へと灑がれていた。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
天然の沙漠は水をさえこれに灑ぐを得ばそれでじきに沃土となるのであります。
— 信仰と樹木とをもって国を救いし話 『デンマルク国の話』 青空文庫
齋藤常次郎氏は、いま、たはむれに書畫骨董をあきなつて居られる由であるが、そのひとがら、その前半生、明治初年に沒したる大通中の大通細木香以を思はせる態の灑脱の趣があるのである。
— 太宰治 『人物に就いて』 青空文庫
しめやかに降り灑いでゐた戸外の雨の音が、彈くやうに私の鼓膜に響いて來た。
— 南部修太郎 『猫又先生』 青空文庫
行と、かなと、珊瑚灑ぎ、碧樹梳って、触るものも自から気を附けよう。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
どうも瀑布そのものが高處より落ちるところがその生命なのであるから、仰ぎ觀るのがよいに相違無く、さうしてからこそ、初めて驚く河漢の落つるを、半灑ぐ雲天の裏、なぞといふ詩句も出來て來るのである。
— 幸田露伴 『華嚴瀧』 青空文庫
杯を手にしながら「酔悲泪灑春杯裏」と二人がいっしょに歌った。
— 須磨 『源氏物語』 青空文庫