廃者
はいもの
名詞
標準
文例 · 用例
のみならず下は俺のような廃者さえも憂目を見る」――それにしても老売卜者は巻き奉書があんな偶然の出来事から、自分の手へはいったということについて、一面この上もなく不思議に思い、他面感謝をしたくなった。
— 国枝史郎 『娘煙術師』 青空文庫
三(これからだっていい運は来るさ) ナーニあんな世を狭めた男、廃者といつまでも一緒にいるより、別れて一人となった方が、どんなにいい運が来るかしれない。
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫
忘却の甘みに救われるような人間は、「生きた死骸」になるはずの頽廃者に過ぎなかった。
— 和辻哲郎 『転向』 青空文庫
そのような苦患と歓喜とは、息をしている死人や腐った頽廃者などの特権だ。
— 和辻哲郎 『ベエトォフェンの面』 青空文庫
休息すること餘りしば/\にして、その休息する時間が段々長くなりければ、終に十分を限りて休息することとし、やつと老廢者をまとめて、川越に達し、定めたる旅店に著きしは、午前五時半也。
— 大町桂月 『川越夜行記』 青空文庫