阿旦
阿旦
名詞
標準
文例 · 用例
私が名も知れない野生の花を摘んでいる間に、仁王は阿旦葉でラッパを造って吹いていた。
— 伊波普猷 『私の子供時分』 青空文庫
○幾日たつても、同じ太陽が、おなじ色どりの阿旦科の叢に、明々と照つてゐるのが、すつかり、今年の夏を、平凡に過させてしまひました。
— 島の消息 『鵠が音』 青空文庫
漁夫夕日さす遠の海原、追風に浪にゆさぶり、阿旦葉の葉づれにまじり、南国の浜の静けさ。
— 漢那浪笛 『小曲二十篇』 青空文庫
と女が言つた南方は南方 濃藍の海に住んでゐるあの常夏の地帶 龍舌蘭と梯梧と阿旦とパパイヤなどの植物達が 白い季節を被つて寄り添ふてゐるんだが あれは日本人ではないとか 日本語は通じるかなどと話し合ひながら 世間の既成概念達が寄留するあの僕の國か!
— 山之口貘 『山之口貘詩集』 青空文庫
と女が言つた南方は南方、濃藍の海に住んでゐるあの常夏の地帯、竜舌蘭と梯梧と阿旦とパパイヤなどの植物達が、白い季節を被つて寄り添ふてゐるんだが、あれは日本人ではないとか日本語は通じるかなどゝ談し合ひながら、世間の既成概念達が寄留するあの僕の国か!
— 山之口貘 『私の青年時代』 青空文庫