下肥
しもごえ
名詞
標準
manure
文例 · 用例
たとえば、下肥えのにおいやコールタールのにおいには、われわれに親しい人間生活の幻影がつきまとっている。
— 寺田寅彦 『試験管』 青空文庫
後から下肥を積んだ船が通った。
— 織田作之助 『放浪』 青空文庫
ある冬の朝、下肥えを汲みに大阪へ出たついでに、高津の私の生家へ立ち寄って言うのには、四つになる長女に守をさせられぬこともないが、近所には池もあります。
— 織田作之助 『アド・バルーン』 青空文庫
そして、せっかく寄ったのだから汲ませていただきますと言って、汲み取った下肥えの代りに私を置いて行ったそうです。
— 織田作之助 『アド・バルーン』 青空文庫
汲み取った下肥えの代りに……とは、うっかり口がすべった洒落みたいなものですが、ここらが親譲りというのでしょう。
— 織田作之助 『アド・バルーン』 青空文庫
どうせ不景気な話だから、いっそ景気よく語ってやりましょう、子供のころでおぼえもなし、空想をまじえた創作で語る以上、できるだけおもしろおかしく脚色してやりましょうと、万事「下肥えの代り」に式で喋りました。
— 織田作之助 『アド・バルーン』 青空文庫
「……そんなわけで、下肥えのかわりに置いて行かれたけど、その日の日の暮れにはもう、腫物の神さんの石切の下の百姓に預けられたいうさかい、親父も気のせわしい男やったが、こっちもこっちで、八月でお母んのお腹飛びだすぐらいやさかい、気の永い方やない。
— 織田作之助 『アド・バルーン』 青空文庫
その上より下肥を撒きかけて土を覆ひまはるに、その臭き事限りなく、その仕事の手間取る事、何時果つべしとも思はれず。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
作例 · 標準
昔の農村では、下肥を貴重な肥料として畑に撒いていたという。
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化学肥料が普及する前は、下肥の回収が江戸の循環型社会を支えていた。
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独特の臭いが漂う畑のそばを通りかかり、昔ながらの下肥を思い出した。
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ウィキペディア
下肥(しもごえ)は、人間の糞尿を腐熟させ、肥料としたものの、日本における名称である。窒素・リン酸・カリウムをふくむ即効性の液肥として、昭和期までの農業において日常的に用いられていた。
出典: 下肥 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0