狡兎
こうと
名詞
標準
smart rabbit
文例 · 用例
『本草啓蒙』に「兎の性|狡にして棲所の穴その道一ならず、猟人一道を燻れば他道に遁れ去る、故に『戦国策』に〈狡兎三窟ありわずかにその死を免れ得るのみ〉という」。
— 兎に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
一向|埒明かずとあってカリブ人、また鼠を遣わすとこやつ小賢しく立ち廻ってたちまち獏の居所を見付けたが、獏もさる者、鼠に向いわれと同類の汝がわが食物を得る場を垢の他人の人間に告げたって、人間ほど薄情な者なければ、トドの詰まりは狡兎死して良狗煮らるだ。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
ヨーロッパ大戦に於てはヨーロッパの交戦国の女性は、男性の手不足のために生産労働にかり出されたが、併し狡兎死して走狗烹らるの譬えの通り、資本の必要から見て不用になった彼女達は、忽ち家庭へたたき戻された。
— 戸坂潤 『思想と風俗』 青空文庫
誘わない中から撃退です」「ハッハヽヽ」「僕はこんなに邪魔にされる積りで奔走したんじゃありません」「狡兎死して走狗煮られ……」「はあ?
— 佐々木邦 『勝ち運負け運』 青空文庫
忙しいんだ」「狡兎死して走狗煮らる」「何だい?
— 佐々木邦 『勝ち運負け運』 青空文庫
と問われて、さあ、それは、一口でこうと説明は、どうも、その、と大いに弱っていたようであったが、むりもないことと思った。
— 太宰治 『多頭蛇哲学』 青空文庫
妹の苦しみを見かねて、私が、これから毎日、M・Tの筆蹟を真似て、妹の死ぬる日まで、手紙を書き、下手な和歌を、苦心してつくり、それから晩の六時には、こっそり塀の外へ出て、口笛吹こうと思っていたのです。
— 太宰治 『葉桜と魔笛』 青空文庫
幻燈を見に行こうと囁いたのだ。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
作例 · 標準
「狡兎死して走狗煮らる」という故事の通り、功績を立てた後で疎まれるのは世の常だ。
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猟犬から逃げ切る狡兎のように、彼は窮地に陥るたびに巧妙な策で身をかわした。
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どんなに素早い狡兎であっても、熟練の猟師が仕掛けた罠を完全に見破ることは難しい。
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