硫気
りゅうき
名詞
標準
文例 · 用例
(明治四十年九月二十八日『東京朝日新聞』) 八 煙の中で呼吸する器械 仏国のチソーという人が、煙や硫気その他の毒瓦斯の中で仕事をする人のために呼吸器を作って発表した。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫
そもじは、砒石の蒸気を防ぐために、硫気を用いたのであろうけれど、それが市松のくぼみに溜まった水に溶け、黝んだことゆえ、まっすぐなものも、かえって反りかえって見えたのじゃ。
— 小栗虫太郎 『紅毛傾城』 青空文庫
弓掛の部落を遮っている蛇骨峠を一つ越すと、天蓋山の鉱山で、昼夜分かたず噴煙が硫気を含んで立ち昇り、熔鉱炉の煮える音、鉱石を砕く鎚の音、火薬を仕掛ける大爆音が絶える間もなく響いている。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
硫気と、風化で、持ちもどる事が出来なくなつてゐたやうである。
— 追ひ書き 『鵠が音』 青空文庫
殊にまた硫黄を最も多く噴出し、四辺の岩石を黄色に染めている叫喚地獄や邪見地獄の上の、硫気が絶えず靡いて行く辺にある赤松の葉色が、取わけ鮮麗な緑色を呈しているのも面白い研究資料であろう。
— 菊池幽芳 『雲仙岳』 青空文庫
彼等の焼けただれた皮膚の臭気が硫気にまじって私の鼻をつく。
— 菊池幽芳 『雲仙岳』 青空文庫
しかも、その音は轟々として山の鳴動は続き、時々、きめたように地がブルブルと震え、霏々として灰は降り、硫気はいよいよ漂い、空は赤く焦げてゆくのです。
— 弁信の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
噴火口の傷口や硫気口の湿疹などを所々に有するとも、潰瘍して膿液をほとばしらす火山があろうとも、地球は死滅しない。
— LES MISERABLES 『レ・ミゼラブル』 青空文庫