聖主
せいしゅ
名詞
標準
文例 · 用例
聖主の御代にも天変と地上の乱のございますことは支那にもございました。
— 薄雲 『源氏物語』 青空文庫
然るに、第十代|崇神天皇は、御肇国天皇と称せられ給ふ聖主で、神武御創業後の偉業を達成せられてゐる。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
かの大臣これ後日聖主となり亡国を復興する人物と、后に向い祝辞を述べ、家人を戒めこの語を洩らさば誅戮すべしというた。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
日本に於ては不世出の聖主明治大帝には蔭ながらにも親しく御俤を仰いだことの一度もないのは明治生れの自分として甚だ残念な次第である、それだけ自分の境遇というものが恵まれなかったのである。
— 中里介山 『生前身後の事』 青空文庫
閣下も良く御存知のやうに自分達は斎戒窮苦の生活をまもつて貧民病者のために又あらゆる人の幸福のために自ら求める所なく働いてゐるといふのも、現世を望まず、一命を天にまします聖主に捧げてゐるからに他ならない。
— ――ヨワン・シローテの殉教―― 『イノチガケ』 青空文庫
全く聖主賢君の風にあらず。
— 大賊小賊・名誉の悪党 『時勢と道徳観念』 青空文庫
如何に生くべきか、が人間のあたりまえの問題でなくて、特に文学だけの問題のように考えられているところに、日本文学の思想の贋物性、出来損いの専門性、一人ガテンの独尊、文学神聖主義があるのだろう。
— 坂口安吾 『新人へ』 青空文庫
代々、聖主臨幸の地であった京都も、今や全く灰に帰そうとしていた。
— 第七巻 『現代語訳 平家物語』 青空文庫