追い縋る
おいすがる
動詞
標準
文例 · 用例
」 映画狂の銀子が追い縋るようにして言った。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
」と、お増はその時追い縋るようにして芳村の後から声かけた。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
その時、彼等|父娘はちらちらと崩れかかる榾火を取り巻いて、食後の憩いを息ずいていたのであったが、菊枝は野を吹く微風に嬲られて、ゆれる絹糸の縺れのような煙を凝視めて、悩ましい空想に追い縋るという様子であった。
— 佐左木俊郎 『緑の芽』 青空文庫
すぐ誰か来て下さるように……」と、云いながら、その男は、スタスタと駈け出そうとしましたので、私は追い縋るように、「大変って、一体どうしたのです。
— 菊池寛 『ある抗議書』 青空文庫
私は重荷に圧しつぶされそうにパクパクと四ツん這いになったまま、全速力で追い縋ると、もう次第に脚竝みをゆるめはじめたゼーロンの頤の下にくぐり抜けていきなり、えいッ!
— 牧野信一 『ゼーロン』 青空文庫
「そうですか、ではさようなら……」 追い縋る何ものかを払いのけようとでもするように、伊藤は後をも振り向かずに、すたすたと歩いて行った。
— ――獄中手記―― 『何が私をこうさせたか』 青空文庫
追い縋る敵のないを知って殿を望むは卑怯であろうぞ」 しかし晴信は動じようともせず「殿いたしとうございます」とただ繰り返すばかりであった。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
」 と追い縋る捕り方たち。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫