攀じ登る
よじのぼる
動詞
標準
文例 · 用例
あなたさまの魂の居られる世界へわたくしが攀じ登ることに於て、はじめてまことのあなたさまに私はお目にかかれるので御座いました。
— 岡本かの子 『阿難と呪術師の娘』 青空文庫
点火と同時に、綱をたぐって急いで攀じ登る。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
蟻の穴を蹴返したごとくに散り散りに乱れて前面の傾斜を攀じ登る。
— 夏目漱石 『趣味の遺伝』 青空文庫
数馬は振り切って城の石垣に攀じ登る。
— 森鴎外 『阿部一族』 青空文庫
笛師はそっと抜け出して、そこらの高い樹の上に攀じ登ると、枝や葉が繁っているので、自分の影をかくすに都合がよかった。
— 白猿伝・其他 『中国怪奇小説集』 青空文庫
「どうで死ぬのは同じことだ」 樵夫は覚悟して、その鱗の上に攀じ登ると、物は空中をゆくこと一、二里で、彼を振り落した。
— 続夷堅志・其他 『中国怪奇小説集』 青空文庫
タキシーがこの群衆のなかを押割って乗抜けようとすると、群衆は直にその進行を遮って、誰も彼も争って車の中に乗込んでしまって、余った者は馭者台にも腰を掛ける、屋根にも攀じ登る。
— 岡本綺堂 『倫敦の一夜』 青空文庫
生粋の船乗りにとっては、そのぞんざいに拵えてある板細工などを攀じ登るのは、わけもないことだった。
— 寓意を含める物語 『ペスト王』 青空文庫