画名
がめい
名詞
標準
文例 · 用例
鴾氏――画名は遠慮しよう、実の名は淳之助である。
— 泉鏡花 『開扉一妖帖』 青空文庫
その五雲様がまたあいにくと申しますか、このごろめっきり絵のほうがお上達なさいまして、お師匠よりもだんだんと画名が高まってまいりましたので、わたくしたちの仲をお気づきなさいましたとき、つい眠白様の憎しみが二倍したのでござりましょう。
— 足のある幽霊 『右門捕物帖』 青空文庫
そんな苦しい経験を数知れず持っている彼も、画名があがってからの貧乏は、どうにも辛抱が出来なかった。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
寒月の名は西鶴の発見者及び元禄文学の復興者として夙に知られていたが、近時は画名が段々高くなって、新富町の焼けた竹葉の本店には襖から袋戸や扁額までも寒月ずくめの寒月の間というのが出来た位である。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫
が、小林にしろ淡島にしろ椿岳の画名が世間に歌われたのは維新後であって、維新前までは馬喰町四丁目の軽焼屋の服部喜兵衛、又の名を小林城三といった油会所の手代であった。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫
その中で左に右く画家として門戸を張るだけの技倆がありながら画名を売るを欲しないで、終に一回の書画会をだも開かなかったというは市井町人の似而非風流の売名を屑しとしない椿岳の見識であろう。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫
一体椿岳が博覧会に出品するというは奇妙に感ずるが、性来珍らし物好きであったから画名を売るよりは博覧会が珍らしかったのである。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫
椿岳の洒々落々たる画名を市るの鄙心がなかったのはこれを以ても知るべきである。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫