屏障
びょうしょう
名詞
標準
文例 · 用例
其の時忽然として心が俄に開け朗かになつて、門※を開き屏障を撤するが如くになり、それから頴悟異常になつたと云ふでは無いか。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
輕井澤の如く氣流の懸瀑を爲して居る地や、駿相海岸の如く北方に高山の屏障を有して南方大洋に臨んで居る爲に氣温の平和を得て居る地も、地氣清爽とか平和とか云ひ得るで有らう。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
「(前略)……彼の歓喜限り無く宛ら蚊竜時に会うて天に向かつて舞るが如く多年羨み望みたる所の家財調度を買求め、家の隣の空地を贖ひ、多くの工匠を召し集めて、数奇を凝らせる館を築けば、即ち屏障光を争ひ、奇樹怪石後園に類高く、好望佳類類うもの無し。
— 国枝史郎 『高島異誌』 青空文庫
然るに五代から宋にかけて、壁畫が漸次屏障畫と變じて、金碧の山水は衰へ、墨繪が益々發達した。
— 内藤湖南 『概括的唐宋時代觀』 青空文庫
そしてそれを屏障具の中に列挙してあるのである。
— 喜田貞吉 『春雪の出羽路の三日』 青空文庫
しかもそれを『和名抄』に屏障具の中に収め、帳・屏風・簾などとともに列してあるのは、後にその品の用途を異にしても、なお旧時の称呼を保存したもので、前引『釈名』や『漢語抄』の解釈は、これを屏障具というよりは、むしろ墻壁具の部に収むべき用途に対する説明であると解せられるのである。
— 喜田貞吉 『春雪の出羽路の三日』 青空文庫
中央には美しい円蓋の下に、珍しい形をした屏障の華やかな装飾をうしろにして阿弥陀如来が膝を組んでいる。
— 和辻哲郎 『古寺巡礼』 青空文庫
後方の屏障に刻まれた菩薩も、その肉づけの柔らかさといい衣の自由ななびき方といい、実に息のつけないほど美しいものであるが、そこにも新来の様式の日本化が見える。
— 和辻哲郎 『古寺巡礼』 青空文庫