式文
しきぶん
名詞
標準
文例 · 用例
辞書の正解する、言語通りの意味の韻文とは、一定の法則されたミーターやスタンザを持ったところの拍節の正規的な形式文学を指すのである。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
要するに平安朝文明は貴族文明形式文明風流文明で、剛堅確実の立派なものと云はうよりは、繊細優麗のもので、漸い詞を使ひ、面白くなく、鄙しく、行詰つた、凄じい、これを絵画にして象徴的に現はせば餓鬼の草子の中の生物のやうな、或は小説雑話にして空想的に現はせば、酒呑童子や鬼同丸のやうなものもあつたのであらう。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
ジョリーさんが羅馬綴で書いた式文みたようなものを読み上げる時には皆起立させられたが、モウ足が痺れて立てない者も居た。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
冒険式文通 こんな手紙を郵便で出してはけんのんというので、秘密に渡す方法が又様々に研究されている。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
三十枚の白金貨幣、その紋章のどの辺りかに、巧妙な図案式文字をもって彫み込んであるのだということです。
— 国枝史郎 『銀三十枚』 青空文庫
風吼え、波おどる式文章で、大変無駄な描写がある。
— 一九四四年(昭和十九年) 『日記』 青空文庫
しかしながら、三の考と雖も形式文としては成立つけれども、実際にはわざ/\そんな馬鹿な想像を廻らす必要はない。
— 折口信夫 『古歌新釈』 青空文庫
すでに全く口語文の世の中になつた今日ではちよつと想像がつかないかも知れないが、当時、言文一致は小説以外の一般の文章界にも次第にさかんになりつゝあつたにもかかはらず、一部にはなほ言文一致は卑俗であつて、到底荘重謹厳を要する儀式文には適用するにたへないと非難してゐた者もあつたのである。
— 水野葉舟 『言文一致』 青空文庫