屈み腰
かがみごし
名詞
標準
文例 · 用例
実直ものの丁寧に、屈み腰になって手を出したは、志を恵んだらしい。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
きょろんと立った連の男が、一歩返して、圧えるごとくに、握拳をぬっと突出すと、今度はその顔を屈み腰に仰向いて見て、それにも、したたかに笑ったが、またもや目を教授に向けた。
— 泉鏡花 『みさごの鮨』 青空文庫
」 と、すぐに糸七が腰かけた縁端へ、袖摺れに、色香折敷く屈み腰で、手に水色の半※を。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
今時バアで醉拂つて、タクシイに蹌踉け込んで、いや、どツこいと腰を入れると、がた、がたんと搖れるから、脚を蟇の如く踏張つて――上等のは知らない――屋根が低いから屈み腰に眼を据ゑて、首を虎に振るのとは圖が違ふ。
— 泉鏡太郎 『麻を刈る』 青空文庫
のそ/\と入つた案内者が、横手の住居へ、屈み腰で挨拶する。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
屈み腰になつてじつと見入らうとするのを、突立つたままもどかしさうに見てゐた小僧は、さすがに氣の毒になつたかして、「あ、一寸好い事がおすさかい。
— 薄田泣菫 『西大寺の伎藝天女』 青空文庫
それは禿頭の和尚が、幾らか屈み腰に、左手に持った網を肩にかたげたまま、右手の指の間にぴちぴち跳ねまわる海老を捉えている図で、脚下に芦の葉が少し描き添えてあるのみなのが、枯淡な老和尚の面目にふさわしかった。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
私の頭には、痩せた屈み腰の学生服を着た岩元君をしか想像することはできない。
— 西田幾多郎 『明治二十四、五年頃の東京文科大学選科』 青空文庫