手付け
てつけ
名詞
標準
文例 · 用例
金が通用する限りは問題ないが、手付け金は粗悪なフロリン銀貨のようなものをくれたと。
— THE CROOKED MAN 『曲れる者』 青空文庫
その価は十五両と聞いて、侍はすこし首をかしげていたが、とうとうそれを買うことになって、手付けの一両を置いて行った。
— 一つ目小僧 『半七捕物帳』 青空文庫
一両の手付けを差し引いても、かれは十四両の損をさせられたのであった。
— 一つ目小僧 『半七捕物帳』 青空文庫
春着をこしらえるなら拵えるように、せめて手付けの一両ぐらいこっちへ預けて置いてくれなけりゃあ、どこの呉服屋へ行ったって話が出来ませんよ。
— 朝顔屋敷 『半七捕物帳』 青空文庫
わたしは通りがかりでそれだけの金を持っていないから、手付けに三両の金をおいて行く。
— 仮面 『半七捕物帳』 青空文庫
云うまでもないことだが、余人に売ってくれるなよ」 売り買いの約束が出来て、すでに手付けの金を受け取った以上、もちろん他に売ろう筈はないので、孫十郎はその客のうしろ姿を見送ると、すぐに豊吉に云いつけて、その仮面を取りはずさせた。
— 仮面 『半七捕物帳』 青空文庫
持ち合わせの金がなければ、相当の手付けを置いてくるか、万やむを得なければ屋敷の名をあかしても店の者に持たせてくるか、なんとか臨機の処置を取るべき筈であるのに、そのままに見過ごすとは何事であるかと、自分は重役方からさんざんに叱られた。
— 仮面 『半七捕物帳』 青空文庫
それは孫十郎も最初から覚悟していたのであるが、客は手付け金三両の二倍や三倍では肯かなかった。
— 仮面 『半七捕物帳』 青空文庫