鼻皺
はなしわ
名詞
標準
文例 · 用例
だが最も特色的なのは、笑われる時の鼻皺であろう。
— 国枝史郎 『小酒井不木氏スケッチ』 青空文庫
鼻皺を寄せて笑われる時、博士号は未練無く影を潜め、「田園の長者」の面影が――もっと雑言を許されるなら、村風子の面影が現われる。
— 国枝史郎 『小酒井不木氏スケッチ』 青空文庫
……」それから例の鼻皺を寄せ、上唇をツンと上へ上げる笑いを笑って私の方を見た。
— 国枝史郎 『名古屋の小酒井不木氏』 青空文庫
自分が愛されてゐることを妖婆のやうな薄気味わるい陰鬱さで、突然ぷすんと洩らしたり、さういふあとでは笑ひともつかず、得意の表情であるともつかず、さりとて自嘲でもないやうな深い鼻皺を顔にきざんで、しばらくぼんやりしてゐるといふ話であつた。
— 坂口安吾 『老嫗面』 青空文庫
タツノはまるで彼のくるのを待ちかねてゐた妖婆のやうに、鼻皺をきざんで満足の笑ひを見せるのだつた。
— 坂口安吾 『老嫗面』 青空文庫
安川がタツノの視線を睨み返すと、タツノは忽ち鼻皺をきざみ、最初の一日の寝姿のやうに、今にも××××××××××××××××××××だつた。
— 坂口安吾 『老嫗面』 青空文庫
ブルドックだか土佐犬だか、耳が小さく頬っぺたのひろがったその犬は、最初ものうそうに眼をひらいたが、みるみるうちに鼻皺を寄せて、あつい唇をまくれあがらせた。
— 徳永直 『こんにゃく売り』 青空文庫
「姫は待ちわびていらせられます」「なんの、三日や五日のことが」と、大納言は天女の悲しむありさまを見て、満悦のために、不遜な笑を鼻皺にきざんだ。
— 坂口安吾 『紫大納言』 青空文庫