恐惶
きょうこう
名詞
標準
文例 · 用例
良心に逐われて恐惶せる盗人は、発覚を予防すべき用意に遑あらざりき。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
弟子達の困憊と恐惶との間に在って孔子は独り気力少しも衰えず、平生通り絃歌して輟まない。
— 中島敦 『弟子』 青空文庫
満槽の湯は一度に面喰って、槽の底から大恐惶を持ち上げる。
— 夏目漱石 『二百十日』 青空文庫
抑も尊王の大義は兼て厚く相心得罷在候処|不図も、今日の形勢に立至り候段、恐惶嘆願の外無御座候。
— 菊池寛 『乱世』 青空文庫
恐惶謹言ピローグ パイに似た露西亜独特の菓子。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 前篇』 青空文庫
――支那大陸紀元八十万一年重陽の佳日、中国軍政府最高主席委員長チャンスカヤ・カイモヴィッチ・シャノフ恐惶謹言頓首々々恭々しく曰す。
— 海野十三 『軍用鮫』 青空文庫
)マーキュ へん「黒い鼠」と來りゃ夜警吏の定文句ぢゃが、もしも足下が「黒馬」なら、「沼」からではなく、はて、恐惶ながら、足下が首ッたけ沒ってゐる戀の淵樣から引上げてもやらうに。
— ROMEO AND JULIET 『ロミオとヂュリエット』 青空文庫
寿江子もこの頃体はわるいし、咲たちが国府津へ行ってしまって、どうしてもうちのことは肩にかかるしで、恐惶謹言的状態で、お使いはたのまれないし、厄介だし、滑稽だし。
— 一九四三年(昭和十八年) 『獄中への手紙』 青空文庫