ただ一つ
ただひとつ
名詞-の形容詞名詞副詞
標準
sole
文例 · 用例
即ち言えば、常に変化する空間、経過する時間の中で、ただ一つの凧(追憶へのイメージ)だけが、不断に悲しく寂しげに、穹窿の上に実在しているのである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
こんな厭な時候に、ただ一つ嬉しいのは、心ゆくばかり降る雨の夕を、風呂に行く事である。
— 寺田寅彦 『やもり物語』 青空文庫
阪の中程に街燈がただ一つ覚束ない光に辺りを照らしている。
— 寺田寅彦 『やもり物語』 青空文庫
かなりに長いこの阪の凸凹道にただ一つの燈火とそのまわりの茂りのさまは、たださえ一種の強い印象を与えるのであるが、一層自分の心を引いたのはその街燈に止った一疋の小さいやもりであった。
— 寺田寅彦 『やもり物語』 青空文庫
それはとにかくシュミット教授についてただ一つ可笑しかった事は、先生が英国の数理物理学の大家 Love のことをローフェと発音していたことである。
— 寺田寅彦 『ベルリン大学(1909-1910)』 青空文庫
当時自分は訪問してそういう方面のどんな話をしていたかは思い出せないが、ただ一つ覚えていることがある。
— 寺田寅彦 『子規の追憶』 青空文庫
その日の夕方、ホテルの食堂で食事のあとに出した菓物鉢の数々の果物の中にただ一つ柿の実がのっかっていた。
— 寺田寅彦 『郷土的味覚』 青空文庫
同時に食事していた客の誰よりも真先に自分のところへこの菓物鉢が廻って来たので、自分は遠慮なくこのただ一つの柿を取上げた。
— 寺田寅彦 『郷土的味覚』 青空文庫
作例 · 標準
私がこの世に残したいものは、ただ一つの真実だけだ。
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焼け野原にただ一つ残った古い井戸が、かつての生活を物語っていた。
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迷いの中にあった私を救ってくれたのは、母からのただ一つの言葉だった。
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