蹴返す
けかえす
動詞-五段-サ行動詞-他動詞
標準
to kick back
文例 · 用例
と後へ反り前へ俯し、悶え苦しみのりあがり、紅蹴返す白脛はたわけき心を乱すになむ、高田駄平は酔えるがごとく、酒打ち飲みていたりけり。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
」と宙に躍って、蹴返す裳に刎ねた脚は、ここに魅した魔の使が、鴨居を抜けて出るように見えた。
— 泉鏡花 『第二菎蒻本』 青空文庫
」 蝶吉は莞爾して、「御免なさい、」というかと思うと、引攫うように小包を取って、裳を蹴返すと二階へ、ふい。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
舳を見ると掻きあげる波が眞白で、艫を見ると蹴返す波が眞白である。
— 波の上 『佐渡が島』 青空文庫
その瞬間に火のような夫人のひとみと、皮肉に落ち付き払った葉子のひとみとが、ぱったり出っくわして小ぜり合いをしたが、また同時に蹴返すように離れて事務長のほうに振り向けられた。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
」 義男は自分の足に觸つた膳をその儘蹴返すと、みのるの傍へ寄つて來た。
— 田村俊子 『木乃伊の口紅』 青空文庫
一頭の頤を蹴返すと、一頭が肩先へおどりかかる。
— 芥川龍之介 『偸盗』 青空文庫
」 ポンと足で蹴返すと、浪人はツト外へ出た。
— 国枝史郎 『名人地獄』 青空文庫