託け
ことづけ
名詞
標準
文例 · 用例
何も、雀に託けて身代の伸びない愚痴を言うのではない。
— 泉鏡花 『二、三羽――十二、三羽』 青空文庫
何か託け、根は臆病で遁げただよ。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
女中は、その太った躯を揉みこなすように、も一つ腰を屈めながら、「それに、あの、お出先へお迎いに行くのなら、御朋輩の方に、御自分の事をお知らせ申さないように、内証でと、くれぐれも、お託けでございましたものですから。
— 泉鏡花 『第二菎蒻本』 青空文庫
天満の鉄橋は、瀬多の長橋ではないけれども、美濃へ帰る旅人に、怪しい手箱を託けたり、俵藤太に加勢を頼んだりする人に似たように思ったのだね。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
――原稿を十四五枚、言託けただけで帰ろうと思うのを、「どうぞ、」と黙って入ってしまった。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
三十八「……また何も、ここへ友達を引張り出して、それに託けるのは卑怯ですが、二月ばかり前でした。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
「ちょいと託ける事があるのだから、折角見えたものを情なく追帰すのも、お気の毒だと思って、通して上げましたがね、熟として待っていなさい。
— 泉鏡花 『湯女の魂』 青空文庫
私が言うて聞かす事を眞とは思はぬ汝に、言託けるのは無駄ぢやらうが、ありやうは、右の魔ものは、さしあたり汝の影を、掴まうとするではない。
— 泉鏡太郎 『三人の盲の話』 青空文庫