空砲
くうほう
名詞
標準
empty gun
文例 · 用例
空砲射撃の時にでも、多くのよせて来る奴等を、この銃一ツで、雨が降り注ぐようにやッつけることを想像しながらタッタタタとやっていた。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
彼は最極度の電流を出して突進せしめながら一発の空砲を放った。
— 押川春浪 『月世界競争探検』 青空文庫
のみならず、その両親の慈愛の賜である結婚費用……三十幾粒の宝石は、赤軍がよく持っている口径の大きい猟銃を使ったらしく、空砲に籠めて、その下腹部に撃ち込んであるのでした。
— 夢野久作 『死後の恋』 青空文庫
私達は、空に向つて空砲を鳴してから、一気に山道を駆け降りた。
— 牧野信一 『喜劇考』 青空文庫
鼬おどしに空砲を打つて呉れと唱が頼むのだが、それさへあかい顔をして柚太は諾かなかつた。
— 牧野信一 『剥製』 青空文庫
」 男共がワツと叫んで僕とミツキイに飛びかゝつた時、ミツキイは手早く引金を引いたのだ――無論空砲なのだが、銃声が響き渡ると、奴等は忽ちワーツといふ悲鳴をあげて戸外へ転げ出た。
— ミツキイのジヨンニイ 『山男と男装の美女』 青空文庫
」 僕が続けて空砲を打ちながらミツキイに告げると、彼女は狂喜の叫びを挙げて、腰帯から弾丸を取り出すと、正しく実弾を込めた。
— ミツキイのジヨンニイ 『山男と男装の美女』 青空文庫
この不意撃に一同も総立となって、井神は屈せず鉄砲を放ったが、空砲とは云いながら何の効目もなく、石はますます降るという始末に、何れも殆ど匙を投げて、どうにもこうにも手の着様がない。
— 岡本綺堂 『池袋の怪』 青空文庫