萎々
萎々
名詞
標準
文例 · 用例
)と切って放すと、枝も葉も萎々となって、ばたり。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
殺したい、殺したい、殺して死にたい思うても、傍へ行きゃ、ぼっと佳い香のするばかりで、筋も骨も萎々と、身体がはや、湿った粘のようになりますだで。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
」 と胸に氣を入れたやうに頷いて云つたが、汽車に搖られて來た聊かの疲勞も交つて、山の美しさに魅せられて身の萎々と成つた、歎息のやうにも聞えた。
— 泉鏡太郎 『魔法罎』 青空文庫
」 然も二人、…… と認めたが、萎々として、兩方が左右から、一人は一方の膝の上へ、一人は一方の、おくれ毛も亂れた肩へ、袖で面をひたと蔽うたまゝ、寄縋り抱合ふやうに、俯伏しに成つて惱ましげである。
— 泉鏡太郎 『魔法罎』 青空文庫
清水の向畠のくずれ土手へ、萎々となって腰を支いた。
— 泉鏡花 『夫人利生記』 青空文庫
が、余程以前から、同じやうな色の褪めた水干に、同じやうな萎々した烏帽子をかけて、同じやうな役目を、飽きずに、毎日、繰返してゐる事だけは、確である。
— 芥川龍之介 『芋粥』 青空文庫
それを聞くとわが心も萎々とする、というのである。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
駕籠を着けたのは佐野家の裏口、娘は騙されて駕籠へ乗ったと知ると、初めのうちは少し騒いでいたが、佐野家へ着くと観念したものか、萎々と歩いて裏口から入ったそうですよ。
— 駕籠の行方 『銭形平次捕物控』 青空文庫