栢
栢
名詞
標準
文例 · 用例
天子の正朔を奉ぜず、敢て建文の年号を去って、洪武三十二年と称し、道衍を帷幄の謀師とし、金忠を紀善として機密に参ぜしめ、張玉、朱能、丘福を都指揮|僉事とし、張、榑、栢、桂、楚楚」は底本では「し、備さに苦毒を極め、迫りて臣|不軌を謀ると言わしめ、遂に宋忠、謝貴、張を執え、始めて奸臣|欺詐の謀を知りぬ。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
」伏して昭穆を案ずるに、将門は已に栢原帝王五代之孫なり、たとひ永く半国を領するとも、豈非運と謂はんや。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
式場は院の栢殿の西向きのお座敷で御帳、几帳その他に用いられた物も日本の織物はいっさいお使いにならず唐の后の居室の飾りを模して、派手で、りっぱで、輝くようにでき上がっていた。
— 若菜(上) 『源氏物語』 青空文庫
「松楸」の語の如きは、彼「松栢」の語と同じく、諸家の集に累見してゐる。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
その外には飛び飛びに立っている、小さい側栢があるばかりである。
— 森鴎外 『雁』 青空文庫
松栢、その他の針葉樹、その内に巻き込まるゝときは、摧け折れ、断片となりて浮び出づ。
— A DESCENT INTO THE MAELSTROM 『うづしほ』 青空文庫
栢の老木が疎らな林をなしているのが見えた。
— 田中貢太郎 『太虚司法伝』 青空文庫
だまってしずかに人形の様にして居た女君は光君の手をふりはなすと一時に卯の花の栢をスルリとぬいで生絹のまま袴を歩みしだいて唐びつの間をすりぬけて几帳のかげに見えなくなってしまった。
— 宮本百合子 『錦木』 青空文庫