蒸かし立て
ふかしたて
名詞
標準
文例 · 用例
其ついでに、蒸かし立ての甘藷を二本鶴子に呉れた。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
が、家の中には、温かい囲炉裏、ふかしたての芋、家族の愛情、骨を惜まない心づかいなどがある。
— 黒島傳治 『氷河』 青空文庫
薄ゴオトで澄ましたはいいが、裙をからげて、長襦袢の紅入を、何と、引さばいたように、赤うでの大蟹が、籠の目を睨んで、爪を突張る……襟もとからは、湯上りの乳ほどに、ふかしたての餅の湯気が、むくむくと立昇る。
— 泉鏡花 『菊あわせ』 青空文庫
……運動場で売っていた、ふかしたての饅頭が、うまそうで堪らなかったが、買えなかった。
— 泉鏡花 『卵塔場の天女』 青空文庫
三吉はまた大悦びで、おばあさんが手製のふかしたてのパンを患者仲間の居る部屋々々へ配りに行くこともあった。
— 島崎藤村 『ある女の生涯』 青空文庫
血をふいて悶死したってビクともする大地ではないのです陳列箱にふかしたてのパンがあるけれど私の知らない世間は何とまあピヤノのように軽やかに美しいのでしょう。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
陳列箱にふかしたてのパンがある。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
血をふいて悶死したってビクともする大地ではないんです陳列箱にふかしたてのパンがあるが私の知らない世間は何とまあピアノのように軽やかに美しいのでしょうそこで始めて神様コンチクショウと吐鳴りたくなります。
— 林芙美子 『放浪記(初出)』 青空文庫