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小壺

こつぼ
名詞
1
標準
文例 · 用例
白紫色に華やぎ始めた朝の光線が当って、閃く樹皮は螺線状の溝に傷けられ、溝の終りの口は小壺を銜えて樹液を落している。
岡本かの子 河明り 青空文庫
その子権十郎はまたその小壺に書きつけをして、「昔年亡父孤蓬庵主小壺をもとめ、伊予すだれと名づけ、その形たとへば編笠といふものに似て、物ふりて佗し。
薄田泣菫 艸木虫魚 青空文庫
これで見ると、孤蓬庵父子はこの小壺に対すると、その形を見ただけで、もう「わび」の心持に入ることが出来たものと思われる。
薄田泣菫 艸木虫魚 青空文庫
先刻から店先の物蔭でぐつすり昼寝をしてゐた飼猫は、急に起き上つて両脚を蹈み伸ばして大きく欠伸をしたと思ふと、のそのそと歩き出して、爺さんが蓋をとつたまま置きつぱなしにしておいた熬し入れの小壺に戯れかからうとしました。
薄田泣菫 小壺狩 青空文庫
喜平はすばやく手を延ばして小壺を奪ひとりました。
薄田泣菫 小壺狩 青空文庫
見るともなく、喜平の眼はその小壺の上に落ちました。
薄田泣菫 小壺狩 青空文庫
ことによつたら、俺はこの小壺のお蔭で出世するかも知れないぞ」 喜平はまたかうも思ひました。
薄田泣菫 小壺狩 青空文庫
そして畳付の工合を見直さうとして、この不思議な小壺をそつと古畳の上に置きましたが、勿体ないことでもしたやうに、慌ててまたそれを掌面に取りかへしました。
薄田泣菫 小壺狩 青空文庫