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稲株

いなかぶ
名詞
1
標準
文例 · 用例
刈つたあとの稲株が泥田の面にほちほちと列をなし、ところどころに刈らない稲が、不精たらしい乱髪の様に見える。
断片三種 処女時代の追憶 青空文庫
冬になりますと、男の子たちは柵から抜出して、田圃の稲株の間に張った厚氷を、石で割って持って来ます。
小金井喜美子 鴎外の思い出 青空文庫
黒々と成育し分蘖しはじめた一つの稲株を見ると、浩平はとにかく得意の鼻をうごめかさずにはいられなかった。
犬田卯 青空文庫
九州は寒さが遅いから霜月初の丑の日に、丑の日様と称してこれを田から迎えて、やはり信州同様洗い浄めた農具類と共に、庭の仕事場の真中で臼の上にこれを祭る処もあれば、阿蘇ではこれを大黒様迎えといって、その大黒はまた最後の稲株と共に、主人自らが迎えて来て祭ることになっている。
柳田国男 年中行事覚書 青空文庫
黒い稻株が打ち下す鍬の先に掘り起され、白つぽく乾いてゐるやうな土の表面と、眞黒な濕りを持つた下の方とが、ムクムクと反轉して行くのを見ると、彼は新鮮な喜びを感じた。
島木健作 續生活の探求 青空文庫