舎饅
しゃまん
名詞
標準
文例 · 用例
」 十一「在り来りの皮は、麁末な麦の香のする田舎饅頭なんですが、その餡の工合がまた格別、何とも申されません旨さ加減、それに幾日置きましても干からびず、味は変りませんのが評判で、売れますこと売れますこと。
— 泉鏡花 『政談十二社』 青空文庫
いつか藤村へ、子供の一番好きな田舎饅頭を買いに往った時、したて物の師匠の内の隣と云うのはこの家だなと思って、見て通ったので、それらしい格子戸の家は分かっている。
— 森鴎外 『雁』 青空文庫
さて品物は何にしようか、藤村の田舎饅頭でも買って遣ろうか。
— 森鴎外 『雁』 青空文庫
田舎饅頭、五銭で六つはうまかつた。
— 仙崎 『行乞記』 青空文庫
)、手土産として、さらに大密柑やら田舎饅頭やら、……ありがたう、ありがたう。
— 種田山頭火 『松山日記』 青空文庫
款待振の田舎饅頭、その黒砂糖の餡の食ひ慣れたのも、可懐しい少年時代を思出させる。
— 島崎藤村 『破戒』 青空文庫
木皿の上には護謨毬ほどな大きな田舎饅頭が一つ載せてあった。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
藤沢で汽車を下りて、私は駅前にあったある店で懐中に残っていた金をはたいて田舎饅頭を買って食べた。
— 小山清 『遁走』 青空文庫