金穀
きんこく
名詞
標準
文例 · 用例
兵馬の権、他人の手に落ち、金穀の利、一家の有たらずして、将帥外に傲り、奸邪間に私すれば、一朝事有るに際しては、都城守る能わず、宗廟祀られざるに至るべし。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
雄將忠卒も數限りは有り、金穀船馬も無限に生ずるものでは無い。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
勇将忠卒も数限りがあり、金穀船馬も無限に生じるものではない。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
中には、通行の途次金穀をむさぼり、人馬賃銭不払いのものも少なからぬ趣であるが、右は名を官軍にかりるものの所業であって、いかようの狼藉があるやも測りがたいから、諸藩いずれもこの旨をとくと心得て、右等の徒に欺かれないようにと言ってある。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
丁度兄の伊藤八兵衛が本所の油堀に油|会所を建て、水藩の名義で金穀その他の運上を扱い、業務上水府の家職を初め諸藩のお留守居、勘定役等と交渉する必要があったので、伊藤は専ら椿岳の米三郎を交際方面に当らしめた。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫
城中の農商も夜ひそかに出でて之に應じ、多く金穀を得て城にもちゆく。
— 大町桂月 『石田堤』 青空文庫
金穀滿ちたりとて、何かせむ。
— 大町桂月 『石田堤』 青空文庫
而してその政権はもとより上士に帰することなれば、上士と下士と対するときは、藩法、常に上士に便にして下士に不便ならざるを得ずといえども、金穀会計のことに至ては上士の短所なるを以て、名は役頭または奉行などと称すれども、下役なる下士のために籠絡せらるる者多し。
— 福沢諭吉 『旧藩情』 青空文庫