気鬱症
きうつしょう
名詞
標準
depression
文例 · 用例
」母は話さなかったが、恐らく母が娘時代に罹った気鬱症には、これ等が利いたのであろう。
— 岡本かの子 『桃のある風景』 青空文庫
色、聞、香、味、触の五感覚の中で、母は意識しないが、特に嗅覚を中心に味覚と触覚に彼女の気鬱症は喘きを持ったらしいことが、私に勧める食餌の種類で判った。
— 岡本かの子 『桃のある風景』 青空文庫
一礼して去る小店員に向って、私は、「こういう簡単なものもご覧になれないって、お嬢さんどういうご病気なの」 というと、小店員はちょっと頭を掻いたが、「まあ、気鬱症とか申すのだそうでございましょうかな。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
滅多にございませんが、一旦そうおなりになると一人であすこへ閉籠って、人と口を利くのを嫌がられます」 若しかして、昨日、茶席での談話が、娘を刺戟し過ぎて、娘は気鬱症を起したのかも知れない。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
ふと今しがた小店員が云った気鬱症の娘が、何処に引籠っているのだろうと私は考え始めた。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
暫くして娘が気鬱症にかかるとあすこに……と云った小店員がその言葉と一緒に一寸仰向き加減にした様子が、いかにも娘が、私の部屋の近くにでもいるような気配を感じさせたのに気づくと、娘は私の頭の上の二階にいるのではないかと、思わずしがみついていた小長火鉢から私は体を反らした。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
気鬱症にでもとり憑かれましたか、月を見ると――、そうで厶ります。
— 佐々木味津三 『十万石の怪談』 青空文庫
まったく気が鬱してくるということは恐ろしいことであって、それに気がつけばすぐ散歩をするとか笑ってみるとか、あんまを呼ぶとか、応急の処置をとるが、気の鬱していることは自分の鈍感から気づかずにいると終いには気鬱症という陰気な病いが起こる。
— 小出楢重 『楢重雑筆』 青空文庫
作例 · 標準
昔の文学作品に登場する『気鬱症』という言葉は、現代のうつ状態に近いニュアンスで使われていることが多い。
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「最近ずっと食欲がないみたいだけど、気鬱症じゃないかしら。一度病院で診てもらったほうがいいわ」
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長年の無理がたたって気鬱症を患った彼は、都会を離れて静かな山里で療養生活を送ることにした。
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