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純林

じゅんりん
名詞
1
標準
文例 · 用例
馬返しより太郎坊まで、羊歯の小自由国や、蘚苔の小王国を保護して、樅落葉松の純林、戟を揃へて隣々相立てるあり、これありて裾野の柔美式なる色相図に、剛健なる鉄銹色を点し、無敵の冬をも呵して、一路空山|料峭の天に向ひて立つものあるなり。
――明治三十六年八月七日御殿場口にて観察―― 霧の不二、月の不二 青空文庫
踏み心地のよい針葉樹の、暗い路を登るほどに、いつしか栂の純林となって、この鈍林を放れ切るまで、松葉つなぎの腐蝕土はつやを消したような光線で、うす暗くぼかされている。
小島烏水 谷より峰へ峰より谷へ 青空文庫
道はますます嶮しくなるが、次第に絶頂に近づき、巨大なくましでが純林風に蟠屈している中をぬけて出ると、天地は忽ち開けて、一千三百六十米(四四八八尺)の普賢の絶頂に立つ。
菊池幽芳 雲仙岳 青空文庫
面積は三|町歩あまり、梢にいる小禽が高くて撃てぬと狩猟家である上野さんの説明通り樟はいずれも高くのびており殆ど純林をなしていて、木漏日が僅にさし、堆かいほど落葉が積んでおり、木の間に横たわっておる熔岩は悉く苔蒸し、羊歯が生え、天南星が大きな葉をひろげて、陰森幽邃な別天地を形作られる。
菊池幽芳 雲仙岳 青空文庫
東桶小屋沢から小楢俣に至る間の米小屋平と八谷越などは全く掬の純林であって、私が曾て見た最も美しい森林の一であることを断言するに躊躇せぬ。
木暮理太郎 利根川水源地の山々 青空文庫
千九百米を超えた山腹であると、土地の人がブサと呼んでいる大白檜の純林が見られることもあるが、これは寧ろ稀であった。
木暮理太郎 利根川水源地の山々 青空文庫
この横を搦む際には密生した一丈か一丈二、三尺に生長した黒檜の純林中を進むので、非常なる困難と闘い、ヘエヅル沢では連続した瀑布の通過に多大の苦心を要した。
木暮理太郎 利根川水源地の山々 青空文庫
白檜の純林は何処までも続いている。
木暮理太郎 秋の鬼怒沼 青空文庫