山面
やまづら
名詞
標準
文例 · 用例
それにひきかえて、今の自分の満足は、ただ何事も考えない放心の境に入るだけの満足で良いのであるが、それを容易に出来ぬ自分を感じると、一時も早く雪路を抜けて湖の見える山面へ廻りたかった。
— 横光利一 『比叡』 青空文庫
山面を遠くから雲のやうに白く棚曳き降りて來た獨活の花の大群生が、湖面にまで雪崩れ込んでゐる裾を、黄白の野菊や萩、肉色の虎杖の花、女郎花と、それに混じた淡紫の一群の花の、うるひ、薊、龍膽、とりかぶと、みやまおだまき、しきんからまつ、――道はだんだん丈なす花のトンネルに變つて來る。
— 横光利一 『榛名』 青空文庫
しかるにそれが解らないとあっては、この北山面目が立たぬ。
— 国枝史郎 『八ヶ嶽の魔神』 青空文庫
背山面海望悠悠、月色潮声入客楼、遥認波間光数点、星星都是仏英舟。
— 井上円了 『西航日録』 青空文庫
)背山面海望悠悠、月色潮声入客楼、遥認波間星集散、灯台光底仏英舟。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫
右『草木図説』には「伊吹山ニ多ク自生アリ」と書いてあるが、これは慾斎の誤認で、同山には絶対この種を産しなく、ただ同山にはその山面の草地にキスゲ一名ユウスゲ一名ヨシノスゲ一名マツヨイグサ(同名がある)すなわち Hemerocallis Thunbergii Baker を見ているだけである。
— 牧野富太郎 『植物一日一題』 青空文庫
野外で、また山面で、また墓場で、また土堤などで、花が一時に咲き揃い、たくさんに群集して咲いている場合はまるで火事場のようである。
— 牧野富太郎 『植物知識』 青空文庫