拠
よんどころ
名詞
標準
文例 · 用例
世間の普通からいうと理性の著しくまさった人は情に薄いのが当り前であるのに、一人先生は普通以上であるという証拠として、長塚節が出てきた次第じゃ。
— 伊藤左千夫 『正岡子規君』 青空文庫
拠処なく物を云うにも、今までの無遠慮に隔てのない風はなく、いやに丁寧に改まって口をきくのである。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
この日初めて民子を女として思ったのが、僕に邪念の萌芽ありし何よりの証拠じゃ。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
音変化として見れば、pからFに変ずるのが普通であって、その逆は考え難いから、ハ行の子音はp→Fと変化したものと思われるが、奈良朝においては、どうであったかというに、平安朝から室町時代までは、Fであったと認むべき根拠があるから、その直前の奈良朝においても多分F音であったろうと思われる。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
現に、「蚊」のごとき一音の語が、今日の近畿地方の方言におけるごとく「カア」と長音に発音せられたことは奈良朝の文献に証拠がある。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
これは、我々が今使っている言語でありますから、同じ語であり同じ音であるということが、はっきり判るのでありますが、しかし昔の人の書いたものについて昔の音を研究してみようという場合には現代において我々がそれを同じ音で読むということは、余り大した根拠にはならない。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
これはいつ頃からあったか判りませぬけれども、村上天皇の頃には既に世間に行われておったということは明らかな証拠があります。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
それから、前に言った通り、東国語においては例外が非常に多いということは、どうしてもこの区別が発音上の区別に基づくものであったということを証拠立てると思います。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫