相隣
そうりん
名詞
標準
文例 · 用例
竪川は是の如き天神川横川等を貫きて加之隅田川と中川とを連結することなれば、他日この川沿岸一帯は工場相隣りするの地となるべし。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
妾と相隣りて入牢せるは、内藤六四郎氏の声なり。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
春は冬に遠くして又冬と相隣して居る。
— 長塚節 『土』 青空文庫
兩の瓜は唯相隣して互に見合うて居るばかりでありました。
— 長塚節 『白瓜と青瓜』 青空文庫
蓋常識は凡識と相隣せり。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫
試みに大阪、田井中、恩地の線を、甚しい方向の変換と行程の延長とを避けて、大和境に向けて引いて見ると、亀瀬峠は南に偏し、十三峠は北に偏してゐて、恩地と相隣してゐる服部川から信貴越をするのが順路だと云ひたくなる。
— 森鴎外 『大塩平八郎』 青空文庫
父はこの月の七日、春雨さむき朝、逝水落花のあわれを示し給いて、おなじく九日の曇れる朝、季叔の墓碑と相隣れる処を長えに住むべき家と定め給いつ。
— 岡本綺堂 『父の墓』 青空文庫
この緑雨の死亡自家広告と旅順の軍神|広瀬中佐の海軍葬広告と相隣りしていたというはその後聞いた咄であるが、これこそ真に何たる偶然の皮肉であろう。
— 内田魯庵 『斎藤緑雨』 青空文庫