様故
ようこ
名詞
標準
文例 · 用例
聞けばこの奥様の前に、永いこと連添った御方も有たとやら、無理やりの御離縁も畢竟は今の奥様故で、それから御本宅と新宅の交情が自然氷のように成ったということでした。
— 島崎藤村 『旧主人』 青空文庫
斯の如き有様故、此無根の風説の世間に伝はることの速さは想像の外に候。
— ANDREAS THAMEYERS LETZTER BRIEF 『アンドレアス・タアマイエルが遺書』 青空文庫
違ふと云つた所が五徳同様故、三本の足と環との釣合ひが、僅に違つてゐるに過ぎない。
— 芥川龍之介 『雑筆』 青空文庫
その証拠にはあの狐※の唄の文句なども、子が母を慕うようでもあるが、「来るは誰故ぞ、様故」と云い、「君は帰るか恨めしやのうやれ」と云い、相愛の男女の哀別離苦をうたっているようでもある。
— 谷崎潤一郎 『吉野葛』 青空文庫
此處のうちの逢状に三田樣故はやはや御越しと書いてあつたので、あんたが此のうちを知つてる筈は無いがと不思議に思ふて來ましてん。
— 水上滝太郎 『大阪の宿』 青空文庫
此等諸外國人は何れも、世界の大國たる唐に仕官することを非常なる名譽と心得、唐の爲に各自の材能を盡くすといふ有樣故、自然世界の文化の精華は唐に※る譯である。
— 桑原隲蔵 『大師の入唐』 青空文庫