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慈顔

じがん
名詞
1
標準
文例 · 用例
東 ほね折り損のくたびれ儲け西 ほとけの顔も三度 徒労の身を疲らす有るのみなるを嘆じたるは東の語、慈顔も之を冒すこと数※すれば怒ることを云へるは西の語なり。
幸田露伴 東西伊呂波短歌評釈 青空文庫
離れても別状がないと落つきの根城を据えて、咫尺に慈顔を髣髴するは、離れたる親を、記憶の紙に炙り出すのみか、逢える日を春に待てとの占にもなる。
夏目漱石 虞美人草 青空文庫
望みというを、はよういうて見い」と育ぐくむような慈顔をもって、新兵衛は相手を見た。
菊池寛 青空文庫
広島に帰り母を奉じ京師に入り西遊の行を終り更に母を伴ふて嵐山に遊び奈良芳野の勝を訪ひ侍輿百里度、花落南山万緑新、筍蕨侑杯山館夕、慈顔自有十分春の詩あり、終に送りて広島に還る。
山路愛山 頼襄を論ず 青空文庫
父の足音を聞き、わが病の間なるによろこぶ慈顔を見るごとに、浪子は恨みにはおとさぬ涙のおのずから頬にしたたるを覚えず、みだりに死をこいねごうに忍びずして、父のために務めて病をば養えるなり。
徳冨蘆花 不如帰 小説 青空文庫
創意工夫は主として君の知力と、その知力を駆使する意力とによって決定されるが、調和協力は、主として、君の情操にまつところが多いから、君はたえず君の情操をなごやかにし、慈顔愛語を以て人に接することを忘れてはならない。
下村湖人 青年の思索のために 青空文庫
威三郎不在と聞き、西大久保に赴き慈顔を拝す。
断腸亭日記巻之三大正八年歳次己未 断腸亭日乗 青空文庫
余故あつて日々慈顔を拝すること能はず。
断腸亭日記巻之五大正十年歳次辛酉 断腸亭日乗 青空文庫