異なり
ことなり
名詞
標準
文例 · 用例
それから『独都より』の「リンデン」の作は、作者も云うてる如く、前の歌の淋しい内にも嬉しい親しみのある情調とは異なり、旅情の淋しさと自然のさびれた淋しみとを独りしみじみと味わってる情調が、一句一句の端にも湛うてる。
— 伊藤左千夫 『歌の潤い』 青空文庫
ただし、タ行の仮名の中、「ち」「つ」にあたるものは、現代の東京・京都等の発音とは異なり、「ち」は現代のようなチ(chi、chはチャチョなどの子音で、分解すれば、タの最初の子音tとシの最初の子音shとの合したもの。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
ハ行の仮名にあたる音を写した万葉仮名の古代漢字音を見るに、皆pphfなどで初まる音であって、h音で初まるものはない故、古代においては今日の発音とは異なり、今日の方言に見るようなpまたはFの音であったと考えられる。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
ただし「ぢ」「づ」は、現今の発音とは異なり、「ぢ」はdi(英語独逸語の発音。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
あの鳴ね聞き給へ、よもあやまらじ」と不審かしうなりて言へば、「月夜に寝ほうけて鳴出る時は常の声とも異なりぬべし。
— 樋口一葉 『すゞろごと』 青空文庫
處女詩集「月に吠える」は、純粹にイマヂスチツクのヴイジヨンに詩境し、これに或る生理的の恐怖感を本質した詩集であつたが、この「青猫」はそれと異なり、ポエヂイの本質が全く哀傷に出發して居る。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
即ち本書の巻頭「詩とは何ぞや」で言ったように、かかる言語に対する解釈が、人によって皆異なり、認識が曖昧漠然としているのである。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
この同じ自然観が、芭蕉にあっては大いに異なり、鷹ひとつ見つけて嬉しいらこ岬 芭蕉 と言うような、全く魂の凍死を思わすような、荒寥たる漂泊旅愁のリリックとなって歌われている。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫