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煢然

けいぜん
形容詞-たる副詞-と
1
標準
alone
文例 · 用例
」合はせて六|里余、あの磽※たる樵路を、連もなく、と思ふと、三|角先生に宜しく、と挨拶して、ひとり煢然として峠を下る後態の、湖は広大、山毛欅は高し、遠見の魯智深に似たのが、且軍敗れて、鎧を棄て、雑兵に紛れて落ちて行く宗任のあはれがあつた。
泉鏡太郎 十和田湖 青空文庫
人やゝもすれば、人生を夢幻と云ひ、空華と云ふ、一念|茲に至れば、空華の根柢に充実せる内容あり、夢幻の遷転影裡猶且つ煢然たる永久の覚醒あり。
石川啄木 閑天地 青空文庫
渠はもとより両親も何もない、最愛の児を失い、最愛の妻を失って、世を果敢むの余り、その妻と子の白骨と、ともに、失うべからざるものの一式、余さずこの古革鞄に納めた、むしろ我が孤の煢然たる影をも納めて、野に山に棄つるがごとく、絶所、僻境を望んで飛騨山中の電信局へ唯今赴任する途中である。
泉鏡花 唄立山心中一曲 青空文庫
私はただ屏風の巌に、一介の栄螺のごとく、孤影|煢然として独り蓋を堅くしていた。
泉鏡花 白花の朝顔 青空文庫
田の傍には幾筋かの小さな流が通つて、箱仕掛の小さな水車が煢然として立つて居る。
長塚節 痍のあと 青空文庫
作例 · 標準
故郷を離れ、煢然と一人、異国の地で暮らしている。
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古い写真には、煢然として座る若い頃の自分の姿があった。
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彼は煢然として、遠い空を見つめていた。
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