逆比
ぎゃくひ
名詞
標準
文例 · 用例
実に韻文の凋落と散文の発達とは、近代の歴史に於て逆比例を示している。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
その人間の廻転する円の半径がだんだん小さくなるに従って、鳥から見たそれの角速度は半径と逆比例して急激に増大して来るのであるから、鳥の注意と緊張もそれに応じて急激にしかし連続的加速度的に増大を要求されるであろう。
— 寺田寅彦 『鴫突き』 青空文庫
まず第一に速度であるがこれは時間に逆比例する。
— 寺田寅彦 『映画の世界像』 青空文庫
しかし加速度となると時間の自乗に逆比例するから時間のほうが二倍に延びれば加速度は四分の一になる。
— 寺田寅彦 『映画の世界像』 青空文庫
私は年齢と逆比例に自身の気持を積極的にするために、わざとさうしようとしたのであつたけれども、今が今そこへ移ることは、私の経済が許さなかつたし、ひどい不便を忍ばなければならなかつた。
— 徳田秋聲 『余震の一夜』 青空文庫
凡そ科学完成の程度は、その科学がとりあつかふ対象の複雑さに逆比例してゐる。
— 平林初之輔 『エミイル・ゾラの文学方法論』 青空文庫
太陽の中心以外の他の点についても同様のことが言われるので、従って収縮の際における温度増加の結果として温度は半径に逆比例することになるのである。
— スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 『宇宙の始まり』 青空文庫
社会のある特殊な時代が今日のような形をとって来ると、女の職業的な進出や、生産へ労働力として参加する数や質のひろがりに逆比例して、女らしい躾みだとか慎しさとか従順さとかが、一括した女らしさという表現でいっそう女につよく求められて来ている。
— ――女らしさの昨日、今日、明日―― 『新しい船出』 青空文庫