金線
きんせん
名詞
標準
文例 · 用例
これは硝酸を盛った容器の内に白金の板を一枚入れ、またこれに接近してごく細い白金線を入れたものである。
— 寺田寅彦 『無線電信の近状』 青空文庫
この白金板と白金線とを連絡する電路中に電池と電話の受話器とを入れておく。
— 寺田寅彦 『無線電信の近状』 青空文庫
かの女が倫敦から買って帰ったベルベットのソファは、一つ一つの肘に金線の房がついていた。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
夢は幽かな金線の顫へから初まる。
— 北原白秋 『桐の花』 青空文庫
遠くで幽かにチリツンチリツンと一絃の金線をつまぐる音色がする。
— 北原白秋 『桐の花』 青空文庫
黄雲ながく尾を引きて、黄金の瀲※湖に搖り、金線繁りぬ、玉松の葉。
— 長塚節 『長塚節歌集 中』 青空文庫
築山陰の野路を写せる径を行けば、蹈処無く地を這ふ葛の乱れ生ひて、草藤、金線草、紫茉莉の色々、茅萱、穂薄の露滋く、泉水の末を引きて※々水を卑きに落せる汀なる胡麻竹の一叢茂れるに隠顕して苔蒸す石組の小高きに四阿の立てるを、やうやう辿り着きて貴婦人は艱しげに憩へり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
その蛙を検するに何処にもある金線蛙だった。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫