町場
ちょうば
名詞
標準
文例 · 用例
押問答をしている内に、母はききつけて笑いながら、「民やは町場者だから、股引佩くのは極りが悪いかい。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
あらア春蘭じゃありませんか」「民さんは町場もんですから、春蘭などと品のよいこと仰しゃるのです。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
一町場ほど行くと、ソオルは別の辻自動車を北マラアストランド街へ急がせた。
— ――スウェーデンの殺人鬼―― 『死の接吻』 青空文庫
ところがまた、知ってる通り、あの一町場が、一方谷、一方|覆被さった雑木林で、妙に真昼間も薄暗い、可厭な処じゃないか。
— 泉鏡花 『朱日記』 青空文庫
私たちは七丁目の終點から乘つて赤坂の方へ歸つて來た……あの間の電車は然して込合ふ程では無いのに、空怪しく雲脚が低く下つて、今にも一降來さうだつたので、人通りが慌しく、一町場二町場、近處へ用たしの分も便つたらしい、停留場毎に乘人の數が多かつた。
— 泉鏡太郎 『人魚の祠』 青空文庫
強ひて一町場ぐらゐは前進出來ない事はない。
— 泉鏡花 『雪靈續記』 青空文庫
強いて一町場ぐらいは前進出来ない事はない。
— 泉鏡花 『雪霊続記』 青空文庫
そうしてまず、始めから終わりまで見た後の自分の印象からいうと、それほどいやで見ていられないような場面や、退屈で腹の立つような長町場もない。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫