鏡獅子
かがみじし
名詞
標準
Kagamijishi
文例 · 用例
昭和九年帝国美術院第十五回展に出品した「鏡獅子」は名人六代目菊五郎の鏡獅子の舞踊を伊東氏が観て、名優の至芸からヒントを得て製作されたものであるが、この「鏡獅子」製作談を伊東氏がかういつてゐる「背景の黒い隈なども、畢竟霊獣の妖気に引かれて行く運動の状態を示さうが為なのです。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
「鏡獅子」の表現に就いて、その創作談の中で、是非問題としなければならない、芸術の表現法に就いての氏の有益な数語がある、それは「鏡獅子」でもさうであるが、形態の誇張に関する、伊東深水氏の考へ方の正統性である。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
『鳴神』、『鏡獅子』、それから『道成寺』なぞもさうだ。
— 島崎藤村 『桃の雫』 青空文庫
本行らしく為立て直した連獅子・鏡獅子の類は、石橋物らしい姿に還つた訣である。
— 折口信夫 『獅子舞と石橋』 青空文庫
鏡獅子の前ジテや、刃傷・切腹の塩冶判官や、輪王寺門跡や、彼の芸が大きな普遍性を持つて来ると共に容貌も亦驚くほど美しくなる。
— 折口信夫 『手習鑑雑談』 青空文庫
幸子は九月に東京で見られなかった不満を充たし、且は悦子にも菊五郎の所作事を見せてやりたいと思っていた願いを果たしたことであったが、その夜、鏡獅子の後の幕間に、彼女が廊下へ立って行って不意に涙を落したのを、悦子は気が付かなかったけれども貞之助が見咎めた。
— 中巻 『細雪』 青空文庫
去年の花見に嵐山へ行った時にも、秋に大阪歌舞伎座へ鏡獅子を見に行った時にも、彼は渡月橋の上だの劇場の廊下だので、こんな工合に、妻が不意に涙を落すのを見、又その後でケロリと直ってしまうのを見たのであったが、その時も矢張そうで、明くる朝になると、幸子は夜中に泣いたことなど忘れたような顔をしていた。
— 中巻 『細雪』 青空文庫
菊五郎の日本俳優学校生徒第一回公演で、六代目は「鏡獅子」と長谷川伸の「暗闇の丑松」だけに出てゐる。
— 昭和九年 『古川ロッパ昭和日記』 青空文庫
作例 · 標準
初春の歌舞伎座で「鏡獅子」を観劇し、その華麗な舞に魅了された。
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「あの獅子の毛振りが、鏡獅子の見せ場なんだよ。」歌舞伎に詳しい友人が教えてくれた。
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「鏡獅子」の衣装は、金糸銀糸がふんだんに使われていて、まるで宝石のようだった。
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ウィキペディア曖昧さ回避
鏡獅子(かがみじし) 明治26年(1893年)に、歌舞伎座で初演された福地桜痴作、三代目杵屋正次郎作曲(長唄)、二代目藤間勘右衛門・九代目市川團十郎振付による歌舞伎舞踊。 → 『春興鏡獅子』 昭和11年(1936年)に、国際文化振興会・松竹大船撮影所が製作した小津安二郎監督、六代目尾上菊五郎主演による上記舞台を記録した短編ドキュメンタリー映画。 → 『鏡獅子 (映画)』 昭和33年(1958年)に、彫刻家・平櫛田中が六代目尾上菊五郎をモデルに完成させた木彫刻。国立劇場のロビーに展示。 → 平櫛田中
出典: 鏡獅子 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0