具象化
ぐしょうか
名詞
標準
文例 · 用例
遊戲を愛せざる且つ知らざるものに眞の生活あることなし、遊戲とは生命意識の具象化されたる躍動なり。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
) これでもか、これでもか、と豚に真珠の慈雨あたえる等の事は、右の頬ならば、左の頬をも、というかの神の子の言葉の具象化でない。
— 太宰治 『創生記』 青空文庫
普通意味せられるところの芸術家、即ち芸術を仕事としている人々は思想を具象化するについて、思想家のように抽象的な手段によらず、具体的な形に於てせんとするものだ。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
若し物象が具象化されなければ満足が出来ないと人がいうならば、その人の為めには、文学の領内に詩と小説とが併存するように、これまでのような絵画を存続させておくのもまた妨げないだろう。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
○ 苦痛は人生を具象化する。
— 種田山頭火 『砕けた瓦』 青空文庫
ああほんとうに、位置が変っているのですか……ほんとうに死体が……」 と犬射の顔色はみるみる蒼白に変っていって、なにか心中の幻が、具象化されたのではないかと思われた。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
その茫漠とした靄のような物質を、単なる曖昧だけのものとはせず、進んで具象化して、一つの機構に組上げなければならぬ――と教えてくれました」 それはさながら、魂と身体とに、不思議な繋がりがあるのではないかと思われたほど――言葉がそこまでくると、滝人の全身に、異様な感情の表出が現われた。
— 小栗虫太郎 『白蟻』 青空文庫
「結婚者の永遠の健康を予想して、その幸福な姿を具象化したものである。
— 牧野信一 『熱い風』 青空文庫