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寝返

ねかえし
名詞
1
標準
文例 · 用例
夫を此頃では寝返りができぬ故客の方へ向てでもなんでもやるより仕方がなくなった。
伊藤左千夫 根岸庵訪問の記 青空文庫
やがてぐるりと寝返りをうつて、向ふへ向いたが、その時の頬のあたりは、今でも思ひ出すと涙が滲む。
中原中也 亡弟 青空文庫
安岡はガサガサと寝返りを三時間も打ち続けたあげく、眠りかけていた。
葉山嘉樹 死屍を食う男 青空文庫
」と小さい時からただ人に叱られて育って来たので、人を見ると自分を叱るのではないかと怯える卑屈な癖が身についていて、この時も、譫言のように「すみません」を連発しながら寝返りを打って、また眼をつぶる。
――新曲聊斎志異―― 竹青 青空文庫
」僕は寝返りを打ちながら言った。
太宰治 パンドラの匣 青空文庫
家へ帰って寝てからも、へんな、いやらしい夢の連続で、寝返りばかり打っていた。
太宰治 正義と微笑 青空文庫
寝返りを打てば、袖の煽にふっと払われて、やがて次の間と隔ての、襖の際に籠った気勢、原の花片に香が戻って、匂は一処に集ったか、薫が一汐高くなった。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
お蔦は恥じてか、見て欲かったか、肩を捻って、髷を真向きに、毛筋も透通るような頸を向けて、なだらかに掛けた小掻巻の膝の辺に、一波打つと、力を入れたらしく寝返りした。
泉鏡花 婦系図 青空文庫