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不幸にも

ふこうにも
表現副詞
1
標準
unfortunately
文例 · 用例
しかしながら運命が、不幸にも我々を別離させた。
萩原朔太郎 芥川龍之介の死 青空文庫
私の家の五歳の娘は、器量も父に似て頗るまづいが、頭腦もまた不幸にも父に似て、へんなところがあるやうだ。
太宰治 お伽草紙 青空文庫
そして不幸にも既に言語の通貨となりすましてしまったならば贋金を根絶することに必死の努力を払うべきである。
九鬼周造 外来語所感 青空文庫
奎吉は不幸にもその時の莊之助の顏に浮んだ微笑の影に、奎吉をなぐさめる樣な柔しい感情の表れがあつたのを見逃せなかつた。
梶井基次郎 奎吉 青空文庫
太政大臣|公相は外法のために生首を取られたが、この人は天文から文禄へかけての恐ろしい世に何の不幸にも遭わないで、無事に九十歳の長寿を得て、めでたく終ったのである。
幸田露伴 魔法修行者 青空文庫
もしも最初の南々西の風が発火後その方向を持続しながら風速を増大したのであったらおそらく火流は停車場付近を右翼の限界として海へ抜けてしまったであろうと思われるのが、不幸にも次第に西へ回った風の転向のために火流の針路が五稜郭の方面に向けられ、そのためにいっそう災害を大きくしたのではないかと想像される。
寺田寅彦 函館の大火について 青空文庫
鉄也さんというのは今井の叔父さんの独り子で、不幸にも四、五年前から気が狂って、乱暴は働かないが全くの廃人であった。
国木田独歩 鹿狩り 青空文庫
その帰途、電車の中にてつくづく思うに、われは今日まで差したる不幸にも出で逢わず、よろず順調に過ぎゆきて、身の幸運を誇りいたるに、測らずも英一の死によりて限りなき苦痛を味うこととなりたり。
――甲字楼日記の一節―― 叔父と甥と 青空文庫
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