目付け
めつけ
名詞
標準
文例 · 用例
蝶の舌ゼンマイに似る暑さかな暖かや蕊に臘ぬる造り花臘梅や雪うち透かす枝のたけ「蝶の舌」の句は、ゼンマイに似ているといふ目付け所が山であり、比喩の奇警にして観察の細かいところに作者の味噌があるのだらうが、結果はそれだけの機智であつて、本質的に何の俳味も詩情もない、単なる才気だけの作品である。
— 俳人としての芥川龍之介と室生犀星 『小説家の俳句』 青空文庫
爺さんが其処を目付けどころにしたんだ。
— 岡本かの子 『秋の夜がたり』 青空文庫
さて、いよいよ名残十二句のスケルツォの一楽章においては奔放自在なる跳躍を可能ならしむるため、最後から一つ前の十一句目までは定座のような邪魔な目付け役は一つも置かないことにしてある。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
金主を目付けたが、引手茶屋は、見込がないと云ふので、資本を下さない。
— 泉鏡太郎 『廓そだち』 青空文庫
そうしてモデル屋の持ツて來るモデルもモデルも片ツ端から刎付けて、或る手蔓を得てやツとこさ自分で目付け出したモデルといふのが即ちお房であツた。
— 三島霜川 『平民の娘』 青空文庫
そして適當な家を目付けて、其を借りることになツたが、敷金家賃其の他一切の話合は都て綾さんが取仕切ツて、由三は只其の後について挨拶するだけであツた。
— 三島霜川 『昔の女』 青空文庫
もしも、権藤四郎五郎左衛門なる長い名のその生駒家新浪人が、いちはやくご府外へ逐電したならば、五街道口のいずれかの隠し屯所へ、まだ市中に潜伏しているならば一町目付けのどこかの隠し場所へ、必ずなんらかの足跡動静を残しておいたであろうと知ったからです。
— 千柿の鍔 『右門捕物帖』 青空文庫
あとの四人は市中の一町目付けへ、いま右門が申した人相書きの浪人を目あてに、ぬかりなく動静探ってまいれよ。
— 千柿の鍔 『右門捕物帖』 青空文庫