炭粉
たんぷん
名詞
標準
文例 · 用例
その俺が横浜桟橋のショボショボ雨の中に突立って、積込む石炭を一々検査していると汗と炭粉で菜葉服を真黒にした二等機関士のチャプリン髭が、喘ぎ喘ぎ駈け降りて来て「トテモ手が足りません。
— 夢野久作 『難船小僧』 青空文庫
へっついの火皿を二段に組んで、上の段には附木と薪をのせ、中の段には、ちょうど一日か一日半もえるだけの硫黄の塊に火をつけてのせ、下の段には、焔硝と炭粉をつめておく。
— 遠島船 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
鮎は、炭粉をことのほか嫌うのである。
— 佐藤垢石 『姫柚子の讃』 青空文庫
ところが磐城の国の川の上流には、石炭の層が幾重にも断続していて、そこから流れ出る炭粉のために、鮎は香味の気品を備えぬのである。
— 佐藤垢石 『姫柚子の讃』 青空文庫
投げだされたヒガン河豚が、癇癪をおこして、まん丸くふくれあがり、石炭粉の中をはねまわっている。
— 火野葦平 『花と龍』 青空文庫