三文文士
さんもんぶんし
名詞
標準
hack writer
文例 · 用例
これが親仁とは大違いの不肖の子で、「俺みたいな人間になる事はならぬぞ」 という訓戒を文字通りに固く守って、托鉢坊主になったり、謡曲の師匠になったり又は三文文士になったりして文字通りに路頭に迷いそうなので、親仁も呆れて、感心な奴だと賞めながら月給を支給している。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
三文文士がこの字で幼稚な読者をごまかし、説教壇からこの字を叫んで戦争を煽動し、最も軽薄な愛人たちが、彼等のさまざまなモメントに、愛を囁いて、一人一人男や女をだましています。
— 宮本百合子 『愛』 青空文庫
晝間突然おりかにやつて來られて、ふだんから會社員の型にはづれて居る爲めに、三文文士だとか内職づとめだとか、兎角蔭口をきかれ勝だつたのが、一段と噂の種になつたところへ、支店長に呼びつけられた事迄も殘らず知れ渡つたので、數十人の社員の眼は、一樣に嘲笑の色を帶びて、三田の一身に注がれたのである。
— 水上滝太郎 『大阪の宿』 青空文庫
今や國事は日々に多端で三文文士の御託を聞くよりも一人でも多くの實際家を必要として居る。
— 愚者の鼻息 『貝殼追放』 青空文庫
吉村忠雄氏又は次郎生は「卑賤階級」の人間に特有な「今や國事は日日に多端で三文文士の御託を聞くよりも一人でも多くの實際家を必要としてゐる」と、よく實業家と稱される人間の中の、金力と頭腦の力の不平均なものが、恥し氣も無く繰返す言葉を口にして自分の教養の無い事を正直に曝け出した。
— 愚者の鼻息 『貝殼追放』 青空文庫
その庄吉が尾羽打枯らした三文文士の落合太平に近づくことも奇妙であつたが、近づき方がいかにも傍若無人の率直さで、異常と思はれぬこともない。
— 坂口安吾 『外套と青空』 青空文庫
それで加茂五郎兵衛の伝記をあの男にやらせてみよう、そういうことになって、先生のお宅へ招ぜられて、貴君は目下不遇なる三文文士だけれども筆力非凡将来の大器であるから作中の人物としては加茂五郎兵衛が不足かも知れぬがマアこの際役不足を我慢して御尽力願う、などと最大級に激励していただいた。
— ぬばたまのなにかと人の問ひしとき露とこたへて消なましものを 『露の答』 青空文庫
筆力非凡将来の大器という先生の宣伝が行き渡っておりますから、山間の小村では現在の大器の如く丁重に待遇せられる、都会の陋巷でその日の衣食に窮していた三文文士が突然仙境に踏み迷ったわけです。
— ぬばたまのなにかと人の問ひしとき露とこたへて消なましものを 『露の答』 青空文庫
作例 · 標準
彼は自らを「三文文士」と自嘲しながらも、週刊誌のゴシップ記事を書き続けて日銭を稼いだ。
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売れない三文文士だった彼が、ある日突然、推理小説で文学賞を受賞して世間を驚かせた。
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締め切りに追われる生活の中で、高名な作家もかつては三文文士として苦労した時代があった。
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