密厳
みつごん
名詞
標準
文例 · 用例
恵心はもとより緻密厳詳の学風の人であったから、寂照はこれに従って大に益を得たことでもあろう、それで寂照を恵心の弟子のように云伝えることも生じたのであろう。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
多分作者が、死んだ轟氏から秘密厳守の約束か何かで聞いていた話だろうと思って、まだ大森署に置いてある犯人に、あの筋書を読んで聞かせて、間違っている処を訂正させた序に、呉羽さんの興行の話を聞かせてやったら、ドウダイ突然に顔色を変えて、その興行を差止めて下さいと怒鳴り出したもんだ。
— 夢野久作 『二重心臓』 青空文庫
しかしこの件についてはつれあいにも秘密厳守で進めて頂きますから、そのおつもりで」 谷間シズカ女は椅子から立上った。
— 海野十三 『断層顔』 青空文庫
宗教的・神学的・範疇は、それが原始的に素朴な、或いは体験上直接な、場合は云うまでもないとして、どれ程精密厳正に組織された場合でも、決して技術的範疇ではあり得ない。
— 戸坂潤 『技術の哲学』 青空文庫
……もっとも大っぴらにいえない筋があって、この事は、君と印東にしか打ち明けていないが、秘密厳守というのがこの取引の第一条件なんだから、それァ見逃して貰うより仕様がない。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
迅速正確、親切丁寧、秘密厳守、料金低廉、あくまで良心的」 と売りこんだのである。
— 飛燕流開祖 『落語・教祖列伝』 青空文庫
われはこれ栴檀の林、虚空の襞の大浪、高山の車輪の一列、一切の変装者、隙もなく魂を食み尽すが故に無上の法楽――わが密厳詩。
— ――黙子覚書―― 『夢は呼び交す』 青空文庫
山塊の安全側に到達しキャンプへの緩降下に移った時、吹きすさぶ風音と発動機の轟音の中で我々は怒鳴り合ってなんとか会話を交わしたが、その内容はというと、かの悪夢の都市を立ち去るに当って二人で決めた秘密厳守の約束を再確認することにほぼ終始した。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『狂気の山脈にて』 青空文庫