閨怨
けいえん
名詞
標準
文例 · 用例
三年の間、待ち焦れ、恋ひ慕ひ、あらゆる寂寞と閨怨とによつて刺戟しつくした揚句、今また息も詰るやうな歓喜の圧迫によつてこの自分を苦しめさいなまんとする、敵よ!
— 岡本かの子 『恋愛といふもの』 青空文庫
手習いに字を書く時も、棄婦の歌、閨怨の歌が多く筆に上ることによって、自分はこうした物思いをしているのかとみずから驚く女王であった。
— 若菜(上) 『源氏物語』 青空文庫
贈答以外の恋を題材にした、力こめた作物は、大抵閨怨である。
— 万葉集以後の歌風の見わたし 『短歌本質成立の時代』 青空文庫
此が一脈の糸筋を、前代以来の雑芸・小唄と引く、閨怨のあはれさであつた。
— 後期王朝文学史 『女房文学から隠者文学へ』 青空文庫
下|冷えつよき 狭き屋のうち※戸をあけて還る人々 雪白くたまれりといひて、わび/\ぞ行く○閨怨火に弾く丸の音づれ 懼づおづも 吾が夫のゆくへ 人に問はるゝ※荒き波 よる昼思ひさわがれつ。
— 折口信夫 『橘曙覧評伝』 青空文庫
秋寒し起て詠ル我まくら 諷竹 閨怨の句と見るべきであろうか。
— 柴田宵曲 『古句を観る』 青空文庫