炉冬
ろふゆ
名詞
標準
文例 · 用例
ことに時候を論ぜざる見世物と異なりて、渠の演芸はおのずから夏炉冬扇のきらいあり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
「僕のはまた、夏炉冬扇で通用しないのさ。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
又或日扇|遣ひ行く枯野かな 暁台 夏炉冬扇という言葉がある通りに、冬日扇は必要のないものとなっているのであるが、それが或日村里を通っていると、汗ばむほどに暑さを覚えたので、また扇を遣いながら行ったというのである。
— 高浜虚子 『俳句はかく解しかく味う』 青空文庫
元坊にあげたハガキに、――とにかく俳句(それが古くても新しくても)といふものはやつぱり夏爐冬扇ですね、またそれで十分ぢやありませんか、直接其場の仕事に役立たないところに俳句のよさがあるのではないでせうか、私共はあまり考へないでその時その時の感動を句として表現したいと思ひます。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
……芭蕉の言葉に、わが句は夏爐冬扇の如し、といふのがある、俳句は夏爐冬扇だ、夏爐冬扇であるが故に、冬爐夏扇として役立つのではあるまいか。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
「余が風雅は夏爐冬扇のごとし、衆に逆ひて用ふるところなし。
— 島崎藤村 『山陰土産』 青空文庫